本記事は「モダリス・ストーリー011」をもとに書いた記事ですので、一部重複しています。
記事→モダリスが上場して今日で4日目ですが、上々の推移を見せています。
本日は、やや値を下げて終値は2,120円でしたが、公募価格が1,200円でしたので、既にもう2倍近辺で取引されていることになります。
以下は、昨日までの株価の推移です。
※出典「Yahooファイナンス」より
6月~7月上場の各IPO銘柄の初値騰落率は、上場後徐々に切り下がっていますが、ほとんどの銘柄が公募価格を越えて初値が付いています。
その背景には、
①コロナの影響で乱高下する相場から一旦離れていようという個人投資家が、リスクのないIPOに流れている。
②巣ごもりで新たにIPOを勉強してトライしている個人投資家がエントリーしている。
などではないかと推測します。
さて、IPO上場直後に注意しなければならないことがあります。
それは、ロックアップの解除、VC(ベンチャーキャピタル)やストックオプションの動向です。
これらの影響で株価が急落することもありますので、要注意です。
①まず、ロックアップですが・・・
新規株式公開(IPO)の上場日から一定期間(通常は90日間、180日間、公募価格の1.5倍など)、上場前からの大株主の持株の売却に制限がかかる制度のことです。IPOに当たり、上場前から創業にかかわった大株主やベンチャーキャピタル(VC)などが、当該株式の公開後の一定期間、市場で持ち株を売却しないなどの契約を、主幹事証券と交わします。 大株主の売却で需給が悪化するのを防ぐのが目的です。また、公開直後に株式の売却が集中することによる相場の混乱を防ぐという趣旨もあります。
以下は、モダリス大株主(トップ10)のロックアップ条件です。既に条件(公募価格の1.5倍)を満たしてロックアップが外れている株主(ロックアップの全体の約3割)もありますので、留意が必要です。
※出典「ipokabu.net」より。
②次にストックオプション制度とは・・・
株主ではない者(当該企業の役員や社員など)が予め決められた価格で自社株を買う権利をいいます。株を持たない役員や社員は、自社の有望な情報を知ることはできますが、その情報をもとに株を買うとインサイダー取引で法に反します。そこで、この仕組みが出来ました。
株価が上がって、予め決められた価格を株価が超えると、この権利を与えられた者(それまでは株を持っていない役員や社員)はストックオプション権を行使することが出来、差額分の利益を受けることが出来ます。
これによって、会社は株価の値上り益を通じて、現金を準備することなく、取締役や使用人(あるいは、協力者)に報酬を与えることができます。この制度で、インサイダー取引が未然に防止され、また働き甲斐や会社の士気も高まります。
モダリスのストックオプションは合計:290万株で、発行済株式総数の11.5%を占めていまので、株価が騰がると行使される可能性が出てきて、トックオプションは売り圧力になるわけです。
ロックアップ、ストックオプションとも、既に制限が外れた該当者もありますので、今後は、急激な下降線もあり得ます。
また反対に、将来性を買われて中長期に保持する株主が多ければ、さらに上昇気流に乗る可能性も秘めています。こうなれば、本物のバイオベンチャーです。
今後のモダリスの値動きが注目されます。
※参考記事、日経新聞(8月4日付)(日経電子版は「無料登録」で月10本読むことが出来ます)→
[https://r.nikkei.com/article/DGXLASFL04HPN_U0A800C2000000?u