「バイオベンチャー通信」

創薬バイオベンチャーについての情報を発信していきます。なお、ブライトパスバイオ、モダリス、ステムリムについては個別ブログをご覧願います。

スポンサーリンク

記事007:創薬ベンチャーでは付きもの、その時バタバタしないように、『第三者割り当て』について、平常時に理解しておきましょう。

スポンサーリンク

記事→前回は、創薬ベンチャーの個人投資家を悩ませる「有意差なし」についてお話ししましたが、今回は「第三者割り当てによる新株予約権の発行」について、お話しさせていただきます。

1、第三者割り当てが突然降ってきた!
第三者割り当てのIRが、ある日突然リリースされると
「株は下がるの?売った方がいいの?」
「IRには、いろいろ書いてあるけど、どういうこと?」
など、判断に迷います。
特に初心者の方は、即座に売った方が良いのか?それとも、キープしたままでも大丈夫なのか?右往左往することが多々あります。
そこで、平常時から、第三者割り当てについての理解を深めて、いざという時に適切な判断を下して、アクションを起こす(あるいは静観する)必要があります。

一般的には、どこのも創薬ベンチャーも赤字体質で資金難です。しかし、研究開発を進めていくためには、相当の資金が必要となります。
通常の製造会社ですと銀行から借り入れる方法もありますが、創薬ベンチャーには担保となるような不動産も有価証券もないのが通例です。そこで、資金を集めるために、必ずどこかのタイミングで「第三者割り当て」を仕掛けてきます。
結論から言いますと、持ち株を売るか、キープするか、あるいは買い増すか、はケースバイケースです。
2、具体例でご説明
では、具体例を挙げてお話ししていきます。

今年の2月17日、取引終了後、アンジェスが、第三者割り当てによる新株予約権の発行で資金を調達すると発表しました。その結果、アンジェス株価はストップ安で462円(100円安)まで下がりました。

 バイオベンチャーのストップ安の主な原因は、「第三者割り当てによる新株予約権の発行」と「パイプラインの中止(未達)」です。

ただ、「第三者割り当てー」の場合は、逆に一時の下げを直ぐに克服して上昇に転じることもあります。
ですから、個人投資家は、その「第三者割り当て」が、「苦し紛れのダメな第三者割り当て」か「具体的な成功に繋がるポジティブな第三者割り当て」かを見抜いてアクションを起こすことが必要です。

 まず、「第三者割り当てー」について、簡単にご説明します。ここでは、今回のアンジェスに当てはめて解説します。

「第三者割り当て」は、アンジェスが資金調達するための手段です。

この「第三者割り当て」で、アンジェスは第三者であるフィリップ証券に、新株予約権16万個を割り当て、約93億円を調達します

フィリップ証券には、リスクはない仕組みになっていて(売買価格差益が入る)、新株16万個は、既存株と合わさりますが、全体の株数が増えるわけですから、既存株主の1株の値打ちが下がる(希薄化)ことと同じです。今回のアンジェスの希薄化率は14.96%でしたから、理論値としては、株価は14.96%下がることになります。ここで、マーケットの評価が注目されるのです。

このアンジェスの第三者割り当てが、ポジティブか?ネガティブか?どちらなのか?それが問題です。

アンジェスは、「調達した資金は海外を含めた新薬候補(パイプライン)の拡充や、遺伝子治療用の製品の原薬の製造委託費用などに充てる。」としていますが、マーケットが「明確に業績が回復する、収益に繋がる確かな見込みがある」と判断すれば、株価は一旦下がっても、そのあと上昇に転じるケースもありますが、「資金シュートを解消するための第三者割り当てで、当面の収益には繋がらない、苦し紛れだ」と評価されると、株価は下値を探る展開となります。

明日、あなたが株を保持している創薬ベンチャーが第三者割り当てを発表したとします。
さて、あなたはどうしますか?
その第三者割り当てをポジティブと見るかネガティブと見るか? ぼやっとしていると大きな損失を被るかもしれません。
その創薬ベンチャーの第三者割当の真の意味合いを看過するためには、その創薬ベンチャーの動きを日頃から理解しておくことが必要です。日頃から、この会社は将来性のあるPL(パイプライン)をしっかりと育てている、近い将来に果実が実を結ぶ可能性が大だ、と判断できれば(マーケットもそのように判断するははずだ)、キープして、仮に値が下がったら買い増すということもあり得ます。
逆に、この会社はもうしばらくの間は見込みがない、と判断すれば、早急に整理するのも良い選択の一つでしょう。
ここで重要なのは、「マーケットがどう判断するのかを考えること」という部分です。自分だけが信じています、というのでは、正しくマーケットの動きを読み取ることはできません。「皆さんはどう感じるのだろう?」と自問自答することが大切です。唯我独尊だけでは、株は勝てません。

「備えあれば憂いなし」
値動きの激しい創薬ベンチャーでは、日頃の情報収集と「マーケットがどう考えるか」を考えることが非常に大切です。
以上。

今年2月のアンジェスに関するニュース→

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/s.kabutan.jp/news/n202002180329.amp%3Fusqp%3Dmq331AQOKAGYAbaJpsC3lNGwlwE%253D

✳️他にも3銘柄についてブログを書いています。コチラをクリック・・・
①➡ブライトパス・ストーリー

②➡ステムリム・ストーリー

③➡モダリス・ストーリー

以下は創薬ベンチャーには関係ない💬雑記ブログです。
➡️ショーシャンクさんの「僕のお気に入りを紹介します!」


f:id:SHAWSHANKlife:20200726171941j:plain



 

スポンサーリンク