「バイオベンチャー通信」

創薬バイオベンチャーについての情報を発信していきます。なお、ブライトパスバイオ、モダリス、ステムリムについては個別ブログをご覧願います。

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記事021:日経新聞(日経ドットコム)記事「ゲノム編集治療、日米欧の新興勢が実用化競う難病向け、モダリスは27年めざす

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モダリスの先週末の株価が2502得んで、ほぼ上場初値のレベルに戻りました。
ハネムーン期間は終わり、モダリスの株価は、これからが真価を問われることになります。

さて、日経新聞のゲノム編集技術の今後を俯瞰した記事をご紹介者します。モダリスについても解説していますので、参考になります。

有料記事ですが、登録すれば、月10本は無料で購読できます。

大変参考になる記事ですので、内容を以下に要約しました。

1、今年のノーベル賞の受賞決がきっかけとなり、ゲノム編集」術用いた治療法の開発に注目が集まっています。
この分野に特化するダリスは希少疾患の治療について2年後に臨床試験に入り、2027年にも実用化する計画です。
先行する欧米企業も含めて、2020年代半ばには、何らかの治療法が確立される見込みです。

2、この分野の主流は、クリスパー・キャス9」で、米独の研究機関の開発者のノーベル化学賞受賞が決まり注目されました。

3、発で先行するのは、スイスのクリスパー・セラピューティクスによる鎌状赤血球症の治療です。第1/2相では有効性を示す結果が得られたという。また米国勢も追い上げ、エディタス・メディシンは20年から目の難病の治療で治験に入った。インテリア・セラピューティクスなど2社も開発を進め、これら欧米4社が先頭集団です。

4、ただキャス9には意図しない部分を編集してしまう副作用のリスクも指摘されていますが、この課題を解決しようとするのが、モダリスの独自技術「クリスパー・GNDM」です。この新技術は、副作用リスクを避ける「切らないクリスパー技術」とされています。

5、モダリスの技術は、必要に応じてスイッチのようにオンとオフを切り替え細胞ごとに必要なたんぱく質を作り出すというもので、同社の技術では、疾患の原因の遺伝子のスイッチを制御する「GNDM」というパーツを加え、患者に注射し目的の細胞の核まで届けて治療するという技術です。

6、モダリスが2202年からの治験を計画していのが、先天性筋ジストロフィーの治療です。この疾患は単一の遺伝子の変異によるものですので、モダリスのターゲットになります。
同社の技術はあらゆる遺伝性疾患に対応できるわけではありませんが、難病患者の治療の幅は広がる。森田晴彦社長は「欧米勢に次ぐ第5の勢力を目指す」と。

7、モダリスの自社開発品と並ぶ収益の柱が共同研究開発です。
2019年にアステラス製薬とライセンス契約を結び、契約一時金や成果に応じ対価を受けましたが、国内ではエーザイや富士フイルムとも共同研究を進めています。

8、英調査会社エバリュエートは、ゲノム編集を含む遺伝子治療市場は26年に約250億ドル(約2.6兆円)と20年推定の20倍強になると予測しており、製薬企業各社は、成長分野として注目しています。

9、一方、この分野の商業利用では特許の問題があります。技術の基本特許はノーベル賞の2氏のグループが持つものの、動植物に応用して商業化に必要な基本特許は別のグループが持っていますので、同技術を使う企業は特許を持つ企業とライセンス契約を結ぶ必要があるこからです。
ゲノム編集を巡る規制では各国・地域に違いもあり、この点も今後の課題と言えます。
同社の森田社長は「日本は承認までのプロセスが未整備なので、まず米国での治験入りを目指す」と。

モダリスを取り巻く課題はありますが、将来性のある魅力的な分野でり、その中でもモダリスの「切らない遺伝子治療」は、今後も注目に値します。

日経新聞記事➡️ゲノム編集治療、日米欧の新興勢が実用化競う: 日本経済新聞


 

  

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