「バイオベンチャー通信」

創薬バイオベンチャーについての情報を発信していきます。なお、ブライトパスバイオ、モダリス、ステムリムについては個別ブログをご覧願います。

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記事015:アビガン、第三相試験で「有意差あり」。10月中にも適応拡大申請と、富士フィルム富山化学工業が発表。

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アビガンは裁ち切れになったのかと思っていましたが、藤田医科大の他に、富士フィルム富山化学工業が3月から独自に第三相治験を行っていたとのことです。

9月23日にその結果が発表され、有効性が有意差をもって示されたとのこと。

プラセボ(偽薬)との比較で、陰性化までの期間が「11.9日vs. 14.7日」と有意に改善したとのこと。

解析対象数は156例(これだけあれば、有意差を示すことは可能です)。
調整後ハザード比(HR)1.593、95%CI 1.024~2.479、P=0.0136

 COVID-19に対するアビガンの国内RCTは、藤田医科大学も別に実施していました。7月に発表された最終結果によると、ウイルス累積消失率はアビガン投与群でHR 1.4と高い傾向を示しましたが、有意差は示せなかったと発表されていました。

治験のデザインの違いで、「有意差あり」「有意差なし」と差がついてしまうことの典型事例です。

藤田医科大は、政府のプレッシャーからか、満足なデザインも出来ず(被験者数が少な過ぎた)、残念な結果となりましたが、今回はどうやら申請に持ち込めそうです。
富士フイルムの意地の粘りを感じます。

アビガンの登場で、医療現場の負担が軽減されることを切望します。

参考記事➡️アビガン、国内Ⅲ相試験で有意差示す|医療ニュース|Medical Tribune

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